例によって技術的な話ではないのですが、この記事では最近何となく考えている「スキルの獲得において深さと広さはトレードオフの関係ではない」ということについて書いてみたいと思います。

※写真は全く関係ありません。

浅く広く と 深く狭く

ここ数カ月、ERP導入に係るスキルの開発をどのように行うか、ということをずっと考えていたのですが、その結果、”広く浅く学ぶ”とか”深く狭く学ぶ”みたいな考え方は正しくないのではないかという考えに自分の中で至りました。

一般的に何かを身に着けるとき、「まずは広く浅く知識を身に着けていこう」とか、「何か一つ自分の武器を身に着けてがんばろう」みたいなことが言われます。もう少しビジネスっぽい言い方をするとゼネラリストとスペシャリストのどちらを君は目指すのだね?、みたいな話になります。

 

できるひとは何でもできる

この、「知識やスキルの”深さ”と”広さ”はトレードオフの関係にある」という考え方は非常に一般的で疑う余地はないような気がするのですが、しかし、実際にはERP導入の現場では「できる人は何でもできるし、できないひとは何もすることがない」という状況になりがちです。

これはつまり、「深く広い」スキルを身に着けているひとと、「浅く狭い」スキルしかない人にわかれてしまう、ということです。(もしくは、本当はスキルはあるけどないふりをしてタスクが振られないように振舞っています、みたいなことをいう人もたまにいます。そういうひとはもはや「スキルがあると思い込んでいるただのスキルがない人」であることが多いのですが、、)

また、最近某グローバルコンサルティングファームの10人くらいのチームと半年近く一緒に仕事をする機会があったのですが、その中でも「わかる人は業務も技術も全部わかる」「わからない人は両方の知識がアヤシイ」という傾向が顕著に観察できました。

いかにも分業が進んでいそうな”某グローバルコンサルティングファーム”の方々でさえ、「業務のことは俺に任せて!」「技術のことは私に聞いて!」という感じではなく、結局少数の”両方わかる人”に判断やタスクが集中していたように見えました。

循環的な学びの構造

これは考えてみれば当たり前のことで、ERP導入という仕事に照らし合わせて考えてみると、「この業務ってコードではどう表現されてるんやろ?」とか、「この要件ってどういう背景から発生したんやろ?」といったように、何か一つを深堀りしようとすると、結局すべてをたどって確認していくという「循環的な学びの構造」が発生するためなのだと思います。

つまり、この「循環的な学びの構造」に巻き込まれた人は”広く深い”スキルを身に着けることになり、そうではない人は”浅く狭い”スキルしか身につかないということになります。もっと言えば、「循環的な学びの構造」にうまく人を巻き込む/巻き込まれることができれば、誰もが”広く深い”スキルを身に着けることができます。

そしてこの「循環的な学びの構造」に巻き込まれるかどうかは、おそらく好奇心があるかどうかと相関しているのだと思います。

業務系フルスタックエンジニア

私は専門外ですが、Web開発の世界ではいわゆる”フルスタックエンジニア”という、フロントエンドもバックエンドも両方できますみたいな人が重宝がられると聞きます。

ERPの世界でも同じで、「業務設計から要件定義、設計・開発まで全部できます」という”業務系フルスタックエンジニア”みたいな人が極稀にいます。

当社は、そのような人たちが多数存在する組織を作り上げていきたいと思います。

具体的に何をどうするかはまだまだ考え中なのですが、「何から何まで一人でやらなきゃいけないブラックな中小企業なので、結果的にいろんなことが身に付きました」というのとは全く異なるアプローチで、これを達成していきます。

まとめ

・・ということで、最近何となく思っている「スキルの獲得において深さと広さはトレードオフの関係ではない」という考え方についてまとめてみました。

当社では、一緒に”業務系フルスタックエンジニア”を目指してくださる方を募集しております。

詳細は採用ページをご確認ください。

Published On: 7月 22nd, 2025 / Categories: Non-Technical /

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