BCのマイナー機能を紹介していくこのシリーズ。今回はカタログ品目 (Catalog Item / Non Stock Item)について解説します。
品目マスタの肥大化を防ぎ、スマートな運用を行うために非常に有用な機能です。
カタログ品目 (Catalog Item)
カタログ品目とは、恒常的に取り扱っているわけではないけどいつでも受注して販売できるようにしておきたい品目を管理する機能です。
具体的にはOEM品や都度仕入品(お取り寄せ品)みたいなものが対象になります。
例えば、システム開発会社がPCやサプライ品を取り扱う場合などが該当します。PCやある種のパッケージソフトなどはメインの商材ではないものの会社としては取り扱っていて、たまに買ってくれるお客様がいるとか、特定の案件に組み合わせて納入する場合がある、みたいなケースです。
このような場合、受注の都度新たに品目マスタを登録してもよいのですが、マスタ登録担当者や受注担当者にとってはイレギュラーの作業となり手間がかかります。
また、営業担当者の視点からは自社の商材なのにシステム上にマスタが存在しないと、毎回価格や原価を調べて見積を作るのが大変、、ということにもなります。
一方、すべての商材を品目マスタとして登録してしまうとマスタが肥大化してしまうという問題もあります。
毎年発売される新しい型番のPCやプリンター、コピー用紙、トナーなど、付き合いのあるすべてのメーカーさんのすべての商品を品目マスタとして登録していくと、あっという間に何十万、何百万という件数になってしまうためです。
そこで使えるのが「カタログ品目」という機能です。
Dynamics 365 Business Centralは、マイクロソフトが開発した中小企業向けの多言語・多通貨対応のERPシステムです。販売管理・在庫管理・生産管理・会計・債権債務など、企業の基幹業務をクラウド上で統合的に管理することができます。また、WordやExcel、Teams、Outlookなど、他のマイクロソフトのサービスと組み合わせて業務を効率化する仕組みが多数搭載されています。
どのような機能か
「カタログ品目」は準品目マスタとでもいうべきもので、”正式品番の一個手前”みたいな状態で大量の品目マスタを登録しておくことができ、受注したときに正式な品目マスタに転換されるという機能です。
ざっくりした使い方は以下の通りです。簡単です。
カタログ品目を登録する
まず、メーカー別にカタログ品目を登録しておきます。もちろん、Excelでの一括取り込みが可能です。今年の新製品が出そろったよーとメーカーさんから連絡があったら、それを一気に取り込んで行く感じです。
品目テンプレートを指定
このとき、品目テンプレートというものを指定しておきます。その品目に関連する各種設定項目をテンプレート化しておくことで、1カタログ品目ごとに細かな設定を行う手間を省くことができます。
見積/受注の明細として選択
見積や受注の明細として、普通の品目マスタと同様にカタログ品目を選択することできます。
品目マスタとして自動登録される
カタログ品目が伝票上で選択されたときにはじめて、正式な品目マスタとして裏側で自動登録されます。
まとめ
・・ということで、比較的シンプルな機能ですが、正しく使えばスマートな運用ができそうだという感覚が伝わればうれしいです。
Business Centralに限らず、販売管理/生産管理システムの導入において”品目マスタの肥大化”はよくある問題かと思います。
これを回避する場合、一般的には「都度マスタ登録すればええやん」派と「雑商品コード作って使いまわせばええやん」派に分かれることが多いかと思います。
しかし、Business Centralでは「カタログ品目としてとりあえず全部登録しといたらええねん」という違うアプローチがあるのです。何かのご参考になれば幸いです。
Business Centralには様々なマイナー機能がありまして、また気が向いたら他のものも紹介していきたいと思います。