Business Centralのマイナーな機能を紹介していくこのシリーズ。第5弾は「ファミリー(Family)」です。

Business Centralの機能において、ファミリーというのは家族ではなく”連産品”を意味しています。

連産品 (co product)

連産品(Co Product)というのは「何かを製造しようとしたときに必ず一緒に出来上がる製品で、かつ主従関係がないものたち」を意味します。主従関係というとわかりにくいですが、要は”副産物(By Product)”や”作業くず(Scrap)”と違い、同じような価値を持つものが複数出来上がるよみたいなことです。

工業簿記の教科書には連産品の例として必ず石油が登場します。石油はそれ単体で生成することはできず、原油からガソリン・石油・灯油・・が同時に生成されます。生産管理的に言えば1つの材料から複数の製品が作られるということです。

石油の例だと急に遠い世界のような気がしてしまうのですが、ERP導入の実務で出てくる例としては「1頭のマグロから赤身や中トロや大トロが生産される」という感じでしょうか。(私も一度だけ水産業のお客様に”ファミリー”の機能を提案したことがあります。)

Dynamics 365 Business Centralは、マイクロソフトが開発した中小企業向けの多言語・多通貨対応のERPシステムです。販売管理・在庫管理・生産管理・会計・債権債務など、企業の基幹業務をクラウド上で統合的に管理することができます。また、WordやExcel、Teams、Outlookなど、他のマイクロソフトのサービスと組み合わせて業務を効率化する仕組みが多数搭載されています。

どのような機能か

使い方は非常に簡単です。

ファミリーを登録する

まず、”ファミリー”をマスタとして登録します。以下のように複数の製品(つまり連産品)を並べていく感じです。

1頭からとれる赤身やトロの重量は毎回異なるため、マグロの場合は実務上ここで入れる数量は目安程度になります。

ファミリーを指定して製造指図を振り出す

受注や品目からではなく、また、MPSを回してではなく、”ファミリー”を指定して製造指図を振り出します。

マグロ解体の製造指図が作られた!

その後、伝票を更新することで以下のようにマグロ解体の製造指図が自動で作成されます。この段階で再度、赤身やトロの生産数量を見直します。

あとは普通の製造と同じ流れになります。明細ごとに出来高や作業時間を計上していく感じです。

まとめ

・・ということで、Business Centralのマイナー機能のひとつ”ファミリー”について解説してきました。

Business Centralには様々なマイナー機能がありまして、また気が向いたら他のものも紹介していきたいと思います。

Published On: 3月 14th, 2024 / Categories: Dynamics 365 Business Central / Tags: , , , , , /

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