マイクロソフトの中小企業向けクラウドERPである「Dynamics 365 Business Central」では2021年秋のバージョンアップによって、ついにQRコードを生成する機能が追加されました。今回はこれを使ってPower Appsでバーコードを読み取ってBusiness Centralに出来高を計上するやつを少し強化してみましたのでご紹介します。
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アーキテクチャ
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動作
BCで製造指図書を発行
ERP(Business Central)でMRPをまわして製造指図書を作成します。このとき、工程別にQRコードを出力します。
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出来高登録
工場の作業者はPower Appsで開発された「出来高計上スマホアプリ」を開き、作業指示書に印字されているQRコードを読み取り、出来高や作業時間を記録していきます。
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Power AppsからBCに転送
転送ボタンを押すことで、実績がERP(Business Central)に自動で転送されます。
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まとめ
Power Appsのバーコードスキャナーコントロールは1次元/2次元を問わずにいい感じに解釈して読み取ってくれるので、今回は特にPower Apps側を改修することなく対応できました。
また、最近のバージョンアップにおいてクラウド上のBusiness Centralから直接QRコードが出力できるようになったことで、ERPの運用設計が非常に行いやすくなったといえます。実務上は納品書や現品票など、モノと一緒に動く帳票というのは印字可能なサイズが限られることが多く、そのような場合に1次元バーコードだと読み取りの精度含めて調整に苦労することがあったのですが、QRコードはかなり小さなスペースで印字しても読み取り精度を保つことができます。
今回は製造業のイメージで開発しましたが、BCのサービス管理機能やジョブ管理機能と組み合わせて修理報告書を回していく仕組みとか、代替品の貸出管理などもQRコードと相性のよさそうな業務は無数にあり可能性は広がるばかりですね。